デジタルフェアリー -- Reincarnation --
「・・・ ・・・・・・ト」 |
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| 今回の仕事は実に簡単な仕事だ。 ＤＯＦテクノロジー社で開発したデータを丸ごと抜出して来る。 もちろんアクセス形跡を残すなんてヘマはやらないのが俺の流儀だ。 そのためにはネットワークからではなくこういった形でシステムに直接介入などと言った 手段をとる事も少なくは無い。 俺のようにデジタルシグナルとニューロシグナルを同調させやすい体質にはこういった 「ダイバー」と呼ばれる職業が最適だ。特にこういう裏の仕事は「スピンダイバー」と 言われ、結構いい金になる。時代と場所を問わず非合法となれば特にそうだ。 表向きの看板は探偵屋だが、もちろんそういった類の依頼も受け付ける。 俺のように一流の「スピナー（スピンダイバーの略称）」ともなるとそこいらの 探偵家業など造作も無い事だ。 その気になれば軍用の監視衛生にすらダイブする事さえできるのだからな・・・。 まぁ こいつ・・・アルフレッドのおかげでもあるのだが・・・ 「そろそろスキャナー（データ監察管）の巡回時間です。」 「心配するな なにも残しちゃぁいない」 俺はバイクにイグニッションキーを指しこみビルを振り返りながらキックを踏み込んだ。 っ・・ドッ・・・ブォンッ！ 既に機械となった右腕のセンサーに振動が伝わってくる。 「帰るぜ 相棒」 一気にクラッチをつなぎ高速の入り口へと飛び込んだ。 「ギルビット！」 「ギルバートだっ！」 「スキャナーがＤＯＧＳ（インスペクタープログラム）を放ちました。」 「何？！」 「向かっている方向はこちらではないようです。」 「どこかのバカがネットワークから仕掛けたのか？」 「その確立は９４．２％です。いえ・・今１００％になりましたＤＯＧＳが経路を 確定、７．６２秒以内にＩＤが識別されます。」 「どうせライバル会社か何かが似たような事をやったんだろ。素人はこれだからな」 「・・・・・」 「どうしたんだ？ アルフ」 「・・・・・ いえ・・」 「なんだ？」 「おかしいですね・・まだＩＤ特定できないようです。」 「経由ルートが複雑なんじゃねぇか？ いくら素人だってそのくらい用心して・・・」 「待ってください・・・ＤＯＧＳがロストしました。」 「たいした調査管じゃねぇな はっはっ！」 「いえ・・・第三経路によってＤＯＧＳそのものが破壊されました。」 「へっ・・進入経路は囮か・・・やるじゃねぇか」 「スキャナー３体・・・抹消っ！・・・」 「やべぇな カットするぞ」・・・ぷしゅ・・ 俺は本能的に危険を感じオブザーバーモードのネットワークを切断した。 進入経路を囮にして別ルートからＤＯＧＳを撃墜・・・この程度ならまだその辺の ＣＨＩＰＳでもやってのけるだろうが、強力なアーマプロテクションを纏ったスキャナー そのものを抹消するなんてのはプロの手口だ。 スキャナーってのは俺と似たような体質の奴等だが、警察機構の中でもネットワーク警備 専門のプロフェッショナルだ。しかも公金をバックに好き放題チューンナップした奴等 ばかりだ。 手口はＣＨＩＰＳというよりむしろテロリストのそれに近い。 かわいそうだが、こいつを追っていたスキャナー達はもう廃人だな。 俺は後味の悪い仕事の結末をぐっと飲み込みながら事務所へとバイクを飛ばした。 |
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| 12階建のマンションの最上階にある事務所に着いたのは既に日付が変わってからだった。 扉が鉛のように重く感じる。 おしゃべりのアルフもあれ以来黙ったままだ。 「おい アルフ データは大丈夫か？」 「・・・ギル・・ビット・・・」 「どうした？」 「あ・・データは・・ＣＲＣ正常・・無事です。」 「そいつはよかった、これが無くなっちまったらギャラがもらえない。」 「・・プログラム正常・・・自己診断モード １、２、３・・・パスＯＫ」 「なにやってんだ？ アルフ」 「ナレッジベース 言語、データベース正常・・・ネットワーク・・ネット・・ ・・コ・・ネ・クト・・・ガードレベル５・・・」 「なんだ ビビってんのか？ アルフ」 「び・び・・？ あの・・なんですか・・この・・電圧が安定しないような・・不安定な この感覚は・・・」 「恐怖って奴だ 憶えときな」 しかし めずらしいＡＩだ、とっさの危険に恐怖と言う感情を持つとはな、 確かにあの時は俺も尋常じゃない危険を感じたのは確かだが・・・ 「アルフ 現在の危険レベルは？」 「あ・・え・・その・・・」 「まだビビッてんのか？」 「コネクトした瞬間に ズドンっ なんてことないですよね・・・」 「心配するな 俺の経路の痕跡は残っていない」 「コネクト・・します・・・・・っ・・うきゃああああ！」 「どうしたっ！？」 「あ・・すみません 着信メールでした・・・クライアントからです。」 「どれどれ・・っ・・まてっ！受け取るなっ！・・そのまま誤信で突き返せっ」 「了解！」 こいつは巧妙な爆弾メールって奴だ、待てよ・・・発信源を装っているが どうやら 痕跡からしてクライアントのところから関連している数名に送られている物らしい。 どうやらさっきのテロリストが探りを入れて来たらしいな・・・てことは・・・。 俺は、もう一度事務所を出て、ＤＯＦテクノロジー社まで戻ってみた。 案の定・・・ビルは蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。 「ギルビット・・探ってみますか？・・」 「まて アルフ！ リモートビットを使おう」 レーザー通信式のリモートビットならば安全だ、俺はバイクのカウリングから２機の ビットをビルに向かって射出した。 ２機のビットは俺が先程侵入した部屋の窓の付近に停滞しセンサーを張り巡らせる。 ・・・音声センサーＯＮ・・・・ 『・・だめです・・・システム復旧は無理ですね・・・バックアップも・・・各支店の システムまで含めてすべて・・・』 「ギルビット、あなたの盗み出したデータは相当に危険な物のようですね・・・」 「そのようだな」 トゥルルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル 突然 携帯電話がなりはじめた。クライアントからだ。 「はい・・・」 『ギルバート君かね？ 先程のメールの件だが・・・』 「・・・なんのことでしょう？」（メールの件だと？？） 俺はとっさに有る種のカンのような物が働いた。 「アルフ！ 音声パターン解析！」 「・・スペクトルマッチ・・確かにクライアントです・・・が少し奇麗すぎますね 生身の肉声なら同じ言葉でも波形パターンが少しずれるはずですが・・・これは あきらかに合成音です」 ふふ・・こんな手を使ってきたか・・・。 『ギルバート君 聞こえているのかね？』 「仕事の件はお断りしたはずですがまだなにか・・・」 『なにを勝手な事を！ 前金までふんだくっておいて』 「勝手に振り込んだのはそちらの方でしょう・・・もちろん手は付けていませんので・・」 『もう君には２度と・・・』 「ああ そうしてくれ」ガチャッ！ やっかいな相手らしい、これは事務所には戻れないな・・・ この仕事のギャラもどうやらパアだ、なによりクライアントの無事も怪しいものだ。 「アルフ！ さっきのデータはどういう代物なんだ？」 「商品なので手を着けていませんがあけてみますか？」 「どうせ金にはならんだろう・・開けてみろ」 「では・・・、・・・・・・・」 「どうだ？」 「私の解析能力を超えていますが・・・ポリマーの新種と有る種の有機質連続構成 パターンが書いてあることは確かですね」 「ちっ・・とは言え解析にリンクするわけにはいかんな・・・」 「事務所に戻りますか？」 「そいつはやばいな・・・仕方ねぇ・・ハゲの所に行くか」 「ラオさんのところですね、あそこならばやれますね」 ラオ大師 ラオ・ファン、いけ好かないスキンヘッドのオカマチャイニーズだが この手のトラブルには滅法役に立つ奴だ。俺はバイクに跨がり、スラムへと向かった。 |
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| 闇を抜け やがて辺りをつつむオイルと錆た金属の匂いがスラムへの到着を知らせる。 ラオの店は３番街の外れに有る小汚ねぇサロンだ。 「いらっしゃいませ・・・何を召し上がる？」 この店にはオカマしかいねぇのか？・・新人バーテンらしいがまぁラオの趣味だろう。 「北京ダック」 「うちはそんなものお出ししてませんのよ」 「いいから奥のハゲに伝えろ！ 北京ダック！特上の奴を丸ごと３つ用意しろ とな・・・」 「もぅ・・野暮な客ねぇ」 バーテンは、ぶつぶつ言いながら奥に入って行った。 俺は辺りを見回す・・・。相変わらず客の数は少ない。 中国人系がほとんどだが、まともそうな奴は一人として見当たらない。 そうこうするうちに家主が現れた。 「あら、野暮な注文すると思ったらやぱりあなたね」 「元気そうじゃねぇか・・・」 「それはもう元気よ なんなら試してみる？」 「遠慮しとくよ。 それよりアヒルの活きのいいのはあるか？」 「いきなりそんな話なの？ せかちねぇ」 「ちょいと急いでてな」 「わかたは、うちのアヒルちゃんはあなたにしか食べさせないのよぉ ちゃんと味わてあげてねぇ」 「わかったわかった、ちょいと訳有りだ尻尾は切っといてくれ」 「贅沢ねぇ じゃあ５分待てて、支度してくるわ・・・」 ラオはいそいそと地下へ降りていった。あのスキンヘッドでこの言葉遣いはやめて欲しい・・ まったくこっちが北京ダックになっちまいそうだ。 悪い奴ではないのだが、あまり近づきたくないタイプだ。 「いいわよぉ ギルちゃん！」 地下から怪しい呼び声がする・・気は進まないが、得体の知れないテロリストよりはマシか。 俺はなんとか重い腰を上げ、地下室へと向かった。 「よっ すまねぇ・・・迷惑かけるな」 「なに言てんのよ、アタシとアナタの仲じゃないの」 「ちょいと長引くかもしれないがよろしく頼む」 「いいのよ アタシ早い人きらいだから・・・ でも、尻尾（ネットワーク）を 遮断するなんてよほど悪さをしたのね？」 「ま、訳は聞かないでくれ ギャラははずむからさ」 「そんな事言われると好奇心がむずむずしちゃうわねぇ」 「聞かせてやろうか？」俺はちらりと横目で睨んだ。 「あ・・いゃ なんだか突然興味なくなちゃたね あはは・・・」 「はは 賢明だな、迷惑ついでと言っちゃなんだが・・・何か食い物と・・・そうだな ジンを持ってきてくれないか？」 「はいはい お安い御用よ・・・ジンはタンカレイだたわよね？」 「さすが 気が利くじゃねぇか、恩に着るぜ」 「それじゃあ 愛情込めてサンドイチでもつくちゃうわね・・うふふ」 ガションッ・・・・分厚いドアの閉まる音がした。 ラオが出ていった後は何とも言い様の無い無味乾燥な冷却器の音と 熱気と寒気が入り交じり染み渡ってくるような不快感が辺りを支配した。 それもその筈、闇の中で俺の顔をぼぅっと照らしているＣＲＴモニターの背後には ３台のスーパーコンピュータがブクブクと泡をたてて冷却溶液の中に静かに 横たわっているからだ。 こいつらの名前はそれぞれ〔ヒューイ〕、〔デューイ〕、〔リューイ〕と名付けられている。 俺はキーボードの横に付いているコネクターに右腕のプローブを挿しこんだ。 「データ転送開始します。」アルフの声が無表情に脳細胞を刺激する。 〔ヒューイ〕のボディーに付いているデータ容量ゲージが青く延びてきた。 「転送完了。まだ〔ヒューイ〕のキャパには７８．４２％の余裕が有ります。 圧縮データ展開開始します。」 ボコッ・・・！ 〔ヒューイ〕の冷却溶液が処理に合わせ一瞬大きな泡をたてた。プロセッサーに負荷が かかると、発熱を起こすため冷却溶液が瞬間に沸騰したからだ。 〔ヒューイ〕のゲージが一瞬に赤くなりボディいっぱいに延びきった。 「〔ヒューイ〕 まだキャパに２０．２７％の余裕あり」 「仕方ない 解析は〔デューイ〕と〔リューイ〕に任せるとするか・・・」 「大丈夫です。〔ヒューイ〕配分率 １５．３％で解析可能です。」 「わかった では始めるとするか・・・アルフ」 「了解！ データライン５１２ビットでコネクト・・・メモリアドレス共有開始します。」 〔デューイ〕、〔リューイ〕のプロセッサーランプが赤から緑に変わった。 「さて アヒル達のお目覚めだ。何が飛び出すかな？」 「解析・・・開始！」 ジュボワッ！ ボコボコボコボコ・・ッ・・・・ガラガラガラガラガラ・・・ ３匹のアヒルがまるで沸騰する油の中に放り込まれたような音をたてて泡を吹きはじめた。 ３本のプロセッサ稼働ゲージが真っ赤に振り切っている。 「アルフ！ ちったぁ加減してやれよ、マル焦げになっちまうぜ」 「大丈夫です。チキンはこのままでも５３１分１７秒２３稼働可能です。」 「アヒルだぜ アルフ」 「失礼 アヒルは食した事が無い物で、解析終了までの推定時間４９２分１２秒３です。」 「おい アルフほんとに保つのか？」 「生焼けのままでは消化不良を起こしますよギルビット」 「ギルバートだっ！」 まったくジョークまで使いこなすとはなんてぇＡＩだ・・・ 最近 特に感じるのだがアルフレッドには意思とか感情って物が構成されているんじゃ ないだろうか？ 少し非科学的だがそうとしか思えない思考が伝わってくる。 ガション 背後のドアの音がする・・・ラオが飯を持ってきたらしい。 「はぁい 愛情こもたスペシャルサンドイチよ あなたの好きなアンチョ・・あいやァァ！ なんのデータ調べるしてるね？」 ラオはその光景を見て唖然と口を開けたまま立ち尽くしている。 「見たとおりさ。アヒルの姿上げを３つほど作ってるだけだ」 俺はラオの左手からグラスを取りジンを一気に飲み干した。 「うちのアヒルちゃん悪食の大食漢ね・・・今まで食い過ぎでネを上げたの見た事無いね」 「アルフの計算だと焼きあがるまでに８時間は掛かるらしいぜ」 「ひょぇぇぇ そんなデータ見た事無いね」ラオは口以上に目蓋を見開いた。 「あたしどうなるかみたいわ」 「しらねぇぜ」 「命より結果・・・気になるね」 「おぃおぃ いつからそんなおバカさんになったんだ？」 「たった今ね」 「・・・・チェスでもするかい？・・・先は長い」 ラオはやっと緊張がとけたようにクスっと笑った。 |
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| 「Ａ−３ビショップ テイク ルーク・・・・チェックメイトだ」 「あいやァァ その手ちょと待ってぇ だたら このナイトここね」 「なんだと？ そいつぁ ここにクィーンでチェックメイトだ」 「それ・・だめよ これをこうやて こう・・あいやぁ・・だめね」 「いいかげんあきらめたらどうだ？ これで４連勝だ！・・・んっ」 「どしたの？」 「アルフがもうすぐ終わると言ってる」 「それ一番よ 勝負は時の運ね」 ラオはそそくさと逃げるようにモニターの前に走っていった。 モニターの上にはあるパターンの記号列がぎっしりと羅列されている。 これがアルフの言っていたある種の有機質連続構成ってやつか・・・ 「アルフ 何だと思う？」 「直接データを読み取ってみれば分かるかもしれません」 「よし 繋ぐぞ」 俺は右手のプローブをコネクターに指しこんだ。 「ダウンロード開始します。」 「どうだ？」 「・・・・・・・・」 「どうした？アルフ」 「ＤＵＣＫでも推論結果が出ているようです。」 「これだけ時間かけたんだからな・・・で結果は？」 「推論確立７６．２％・・・構成体 糖類 燐酸 及び５種の塩基 アデニン グアニン チミン シトシン ウラシル・・・これらの特定連結パターン４ ブロック配列パターン １２４５１７・・・ほぼ間違いなく何等かのＤＮＡ組成です。」 「なんだと？！」 「しかもヒトゲノムのそれに匹敵するかそれ以上の遺伝子パターンが構成されている物と 思われます。」 「それじゃ・・もう一つの新種のポリマーというのは・・・」 「それに関する解析も終了しています。 有機アミノ酸１７４種 脂肪酸３８種 無機及び 有機珪酸１８種 金属繊維組成結合体３８種です。」 「製法に関しても記述は有るのか？」 「単体製法は有りますが・・・」 「なんてことだ ・・ってことはつまり・・・」 「そうですね 間違いなく科学によって作り出された一つの生命体の設計図です。」 「あいやぁ これ驚いたよ 神も仏もないね」 「完成図は無いのか？！」 「残念ながら実物が産み出された形跡は・・・」 「どんな生物なんだ？」 「ＤＮＡ配列パターン解析は出来ますが、有機組成物自体が現存の生物と異なる部分が 多すぎるため予測的パターン収束が極めて困難で部分組織予測の一部を除き不可能です。 手っ取り早く言うと ’想像も付きません’」 「その部分組織予測の一部ってのはなんだ？」 「組成物質 特に金属繊維組成結合体にある特殊な透明度の高いアルミニウムと 言うのが・・・」 「透明？ 目玉じゃないのか？」 「いえ 目玉ならばこちらに有るシリコン結晶繊維体の方が使い勝手が高いでしょう。 これだけ軽量金属組成のしかもポリマー構成ということは？」 「羽根・・・か？」 「その通りです。その他の有機体の比重も人間などの動物と比べかなり軽い物で構成されて いる事からすると９８．７７％間違い有りません。この生物はトンボや蜂のような羽根を持って 飛行する事を目的としています。」 「昆虫？ 新型のＢ兵器か？」 「昆虫の組成とは全く異質ですね・・・このキチン質構成ではかなり重たい外骨格に なりますね」 「いろいろ詮索しても無駄よ これ作てみるのいちばんね。」 いままで黙っていたラオだが、いきなりとんでもない事を言い出したもんだ。 「アルフ 培養方法はなにか記述されているのか？」 「あるにはありますが・・そのすこし常識を逸した方法な物で」 「いいから記録しておけ」 「それから 先程から一つ気になる事があるのですが・・・」 「なんだ？ 言ってみろ」 「ええ 全てのデータやプログラムのヘッダーとフッターに妙なパターンが認められるのです。」 「ん？ そうか・・・なるほどな・・・」 「どしたの？ なんの変哲も無いファイルにしか見えないね」 「こんな細工をするのは・・・」 『流石元相棒だ 冴えてるね』 後から聞き覚えの有る声が割り込んできた。 「あなたネイかね？ どうやてここに・・そだねあなたに鍵なんて無駄ね・・・」 「これはこれはラオ大人 憶えていてくださって光栄です。」 「ネイモア！」 「まぁまぁ 込み入った話はゆっくりと後で聞いてやるから一息着かせてくれ」 相変わらずの汚ねぇ白衣だが ちょいとスリルを味わってきたらしい。 ネイモアはグラスにジンを注ぎ一気に飲み干した。 「ハメたな ネイモア！」 ネイモアは両手を広げ首を横に降った。 「滅相も無い オイラがヤッタのはこいつを作ったことと 元相棒にそのバックアップを 取ってもらったって事だけだ」 「ナッジ（この仕事のクライアント）の野郎はどうなった？」 「さぁね・・・どっかのドブに首が転がってたって話だが・・・」 「ちっ タダ働き決定か・・・」 「心配するな 倍の報酬額を指定の口座に振り込んであるからよ」 「そいつぁ気が利くこって・・・で相手は？」 「陸軍第１４特殊研究課」 「１４だと？ ＥＳＰ研か・・・」 「ま・・早い話が人工のエスパー戦士を作ろうって訳だ」 「ネイ！ 貴様っ！」 「まぁ 話は最後まで聞けよ」 ネイモアは事の経緯を淡々と話しはじめた。 「オイラが人工知能と人工生体ってやつに興味を持っていたのは知ってるな・・・ アルフはその中でも逸品の名作だよ、あんたと最後に仕事をした後その話が降ってきた」 「人工エスパーか？」 「あぁ そうだ。願っても無い依頼なんで２つ返事でＯＫしたよ」 「てことは たくさんのひと切り刻んで犠牲にしたのね」 「おぃおぃ 物騒な事は言わん出くれよ。そりゃ軍の奴等は検体とか言って囚人なんかを 提供には来たが そーゆーやり方はオイラの美学には合わないんでね・・・ 鄭重にお断り申し上げた。オイラは全てオイラのロジックから産み出す事にしてるんでね」 「へぃへぃ 大したもんだ。」 「茶化さんでくれよ・・・まぁ 奴等はそういう所も気に食わなかったんだろうな・・・ そんなこんなで２年でクビになっちまったって訳だ」 「ふん それじゃ追われる理由にはならんな」 「もちろんデータを持ち出した訳でも何でも無いが頭の中ではもう９０％完成していたのさ 奴等は形が見えないから何もやってないと思っていただけさ。 ただ・・・一つだけその機関に足りない物が有った。」 「足りない物？ 贅沢な人ね」 「特殊なノウハウの一つでね自己製造修復機能を実現できる金属のポリマー化テクノロジー って奴でね こいつを補えるのがＤＯＦテクノロジー社だったって訳だ」 「なるほど あそこは人工皮膚や人工臓器製造会社だからな」 「そのとおり そしてオイラは画期的な発明を成し遂げたって訳だ」 「そいつがさっき見たアルミ組成ポリマーや銅組成ポリマーだな」 「察しがいいなギルバート」 「透明アルミポリマーはやはり羽根か？」 「そこまで分かったのか？ 思ったとおりの人だな ギルバート」 「まぁ 大半はアルフのアシストだがね・・・」 「すごいっ！ アルフはそこまで成長しているのか」 「あまり融通が効かないが ジョークまで言いやがる」 「なに言ってるんだ アルフは知識は有るが最初はただの木偶の坊さ こいつにはちょいと 細工がしてあってな・・・寄生主の思考パターンを取り込むようになってる。 要するにアルフの推測や判断はギルバート、あんたの洞察力そのものだよ」 「この危なっかしい感情もか？」 「ほほぅ そいつはすごい！アルフにも感情が出来たのか！ 安心しな そいつはあんたとは別物だ 多分。」 「・・・で その人工エスパー戦士は試作したのか？」 「まだだ、それにオイラはそんな物騒な物を作ってた訳じゃあない。 しかし そいつをずっと監視してた奴がいたのさ。」 「軍隊か？！」 「まぁ そんなとこだな・・・それでオイラは爆弾をひとつ仕掛けてあんたに バックアップを・・・ナッジを経由して依頼し、姿を眩ましたって訳だ。」 「爆弾？」 「あんたも知っての通りさギルバート。 あんたがバックアップを取った直後監視していた 全てのビジターを抹消してデータも全て消去する。ま・・スキャナーがとばっちりに 有ったのは不幸だったけどね・・・それに あんたならここに駆け込むだろうと思ってね」 「ちぇッ とんだトバッチリだぜ」 「念が入てるわね またく」 「ま・・こいつが完成するまでの辛抱さ」 「作れるのか？」 ネイモアは無言で首肯いた。 自分のロジックは完璧だと言わんばかりの自信にあふれた笑みを浮かべながら。 |
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| 「ネイ ほんとにこんな方法で作れるのか？」 「オイラのロジックは完璧だ まぁ見てなって」 それは 誰がどう見ても突拍子もない方法だった。 ひとしきり話の終わった俺達はこのコンピュータルームを培養室に仕立て上げ、 ネイモアは 先ずは種を作るのだと言う。 この中じゃ一番適しているらしい俺の皮膚とキャベツの芽、そして培養水となる海水を用意し 白濁した溶液を作り 有る種の高周波と電気的パルスを与えつづける。 ネイは先程からずっとマイクロスコープを覗き込んだままだ。 「よし やったぞアクティブ因子が出来上がった。核を一旦破壊して・・・こいつを繋げば ・・・・・・・・っと コアカプセルの出来上がりだ。」 その向こうでは訳の分からないマシンが稼働している。ネイの説明によると仮のＲＮＡを 精製する機械なのだそうだ。ＲＮＡを作りそのウラシルとチミンを入れ替えてＤＮＡを 作り出すらしいのだがその構造は理解不能だ。 「よし あとはＤＮＡが出来上がるのを待つだけだ・・・一服しよう。」 ちょうどいい所にラオが戻ってきた。 「買てきたよ これで全部ね」 「ちょうどいい 何か食べる物・・・それとコーヒーをたのむ」 ネイはソファに座り込みながら頼んだ。 「またく人使い荒いね これで失敗したら許さないよ」 「心配しなさんなって １０日もすれば形になる」 「そんなに急激に成長するのか？」 「まぁね 傷口がふさがるよりも早いぜ 種さえ発芽すればね・・・雨後の筍状態さ」 ピーピーピーっ・・・例の変なマシンが騒ぎ出した。 「どうやら出来たようだね・・・食事は後だな」 ネイはいそいそと試験管をマシンから取り出し、丁寧にコアカプセルの有るシャーレに 注ぎこんだ。 それから何か数をぶつぶつと数えながらマニピュレータを操作している。 「よし・・・アルフ手を貸してくれ」 「へぃへぃ 人使いの荒い事で・・・」 アルフのアシストが必要って事は俺が動くしか無い訳で・・・っと説明しても仕方ない 俺はネイの肘に有るコネクターに右手のプローブを繋いだ。 いまさらいう事でも無いがもちろんネイモアもスピナーの一人で簡単にデジタルリンク することができる。 「ここからはおまえがマニピュレータを操作してくれ」 「了解 アイハブコントロール」 「データリンク・・・１番をＡ−３へ・・・２番をＣ−１へ・・・」 「これってＤＮＡの植え付けか？」 「まぁ そんなとこだな・・・おっと丁寧にやってくれアルフ・・・ 映像は見えてるか？ ギルバート」 「もちろんだ」 「もうすぐ神になる瞬間が視られるぜ・・・よしっこれで終了だアルフ ご苦労！」 「どういたしまして・・・ネイモア」 「見てろよギルバート・・・」 「ネイ ギルビット 染色体に異状発生！！」 「異状じゃない 生命の誕生だ」 明らかに染色体が２つに裂けはじめた。細胞が分裂する兆しだ。 「いよいよだ・・・」 「染色体分離・・・移動を始めます。」 「すごいな・・・ネイ 生きているぞ」 「新たな核壁発生 ・・・核 分離 続いて細胞壁発生・・・更に核内で同様の反応確認」 「やった！ 成功だ！」 細胞はみるみるうちに分裂を開始しはじめ、やがて直径２ｍｍ程度の塊ほどになってきた。 「これが・・・カルスってやつだよ」 「カルス？ あの野菜のクローン種子みたいな奴か？」 「ああ 後は培養カプセルに入れて栄養とエネルギーを与えつづければいい」 ネイモアは高さ４０ｃｍ程のカプセルをトランクの中から引っ張り出した。 「小さいな・・・」 「こんなもんさ」 丁寧にカルスをカプセルの中に配置しシールドをかぶせる。 「これでいい、１０日後には誕生だ・・・しかし良くこれだけのものが揃ったなラオ大人」 「なに 簡単よね ＤＯＦから戴いてきたね」 「なんて奴だ」 「あたし悪い事して無いよ あくまでも合法的商取引きね 少してこずたけどね」 「わかったわかった それより飯にしよう」 |
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| 「そろそろ話してくれてもいいんじゃないか？ こいつはいったい何だ？ネイモア」 「焦るなよ まぁ見てろって」 カプセルの中には白い楕円形の塊が日に日に大きくなっていくのが分かる。 あれから１０日目、その白い楕円状のものの中にかすかに光りながら動く物が 確認できるようになった。 「卵・・・なのか？」 「いや 卵というよりは繭に近い存在だね、もうすぐ下の方が緑色に変色してくる」 と言うまもなく下の方が濃い緑色へと変色し硬化して剥離しはじめた。 それと共に上部がねじれるように延びはじめる。 ネイモアはラオを呼ぶコールボタンを押し、培養カプセルを開けた。 「何か有たの？」 すぐにラオが入ってくる。 「いよいよだ 誕生する」ネイモアは慎重に机の上にその繭を置いた。 繭？ その形は既に繭と言う形状でなく固く硬化し６方向に裂けた緑色の台の上にのる 螺旋状の・・・そう大きなつぼみのような物だ。 ３人は息をひそめその光景を見守る。 やがて上部の先端がほころびはじめた。 そしてやはり６つの方向に向かって回転しながら広がるように・・・そう花びらが開き その中心にうずくまっている生き物をはっきりと確認した。 「妖精・・・・」 「そうだ」 「奇麗ね すばらしいよ」 それ以上の言葉を失いじっと見つめていた。 「彼女うごかないの？」 「ああ まだ全部が揃った訳じゃない 器として生体機能しているだけだ」 「ふむ 仏作って魂入れずってやつだな」 「いや その部分も用意してある。ちょいと手伝ってくれギルバート。」 ネイモアと俺はコンソールの前に移動した。 「おまえにこのキーを発動して欲しい。」 「ふむ まぁいいやってみよう。」コンソールにプローブをコネクトする。 「アルフ プログラムを探し出してくれ ファイル名は'REINCARNATION' だ」 「粋な名前ですねネイ ・・・発見しました。」 「よし こっちも準備ＯＫだ」 ネイは もう一つのコネクターに何やらメモリーライターのような物を接続した。 中には緑色に光る結晶体のような物がセットされている。 「こいつか？ こいつは高密度なメモリーデバイスのような物さ」 「じゃ やってみるか」 「では プログラム'REINCARNATION' 起動します」 ぶぉ・・・・・っ 〔ヒューイ〕の冷却液が沸騰しはじめた。 〔ヒューイ〕のＣＰＵ稼働ゲージが一気に真っ赤に変わる。 「フェイズ１・・・バージョンアップ・・・ん・・・なんですかこの非常な安定した 電圧とクロックのような快適感・・・」 「処理が追い付かないため フェイズ１でアルフ自身のバージョンアップを するようになってる」 「手回しがいいな・・・」 「思考が軽くなったようです なんだか・・気持ちいいわ・・・」 「アルフの性転換でもやったのか？ ネイモア」 「いや それはあんたの思考を拾ってが望むようなタイプに切り替わっただけだ」 「フェイズ２に入ります ・・・あっ・・なにこれ？ きゃああぁぁぁぁ・・・・」 「アルフっ！！ 大丈夫か！？」 「心配はいりません ３秒程待ってください。」 ジュボッ・・・・・〔デューイ〕のＣＰＵが悲鳴を上げはじめた。 「・・・・ット・・・・ギル・・」 「アルフか？ どうした？」 「わからない・・・でも大丈夫・・・あっ・・フェイズ３に入ります。」 ボコッ・・・・じゅわわわ・・・〔リューイ〕もフル稼働状態に入る。 「一旦 アルフとの回線が切れます。」 ネイモアは緑色のチップを見つめている。 やがてそのチップがまぶしく光りはじめこの広い暗闇を全て埋めつくすような光を放った。 「よし ＯＫだ 来いギルバート」 「アルフは？ まさかその中か？」 「ご名答！ アルフを目覚めさせるぞ」 ネイモアは妖精の前髪を上げた。 額には金属的に光る小さな窪みが有る。ネイモアはそこに緑色に光るチップをはめ込んだ。 一瞬妖精の体全体が光り背中の羽根がピンと直立する。 そしてゆっくりと顔を上げ目蓋を開いた。 その瞬間 彼女の目が捕らえた３人の顔の映像がギルバートの脳に転写される。 「アルフ 立つんだ・・・手足の使い方はギルバートの脳が教えてくれたはずだ」 「・・・わたし・・に体が・・・？」 「あいゃ この子しゃべれるね？」 「いや これはテレパシーの一種だ、オイラはエスパーの研究をしてたんだぜ」 「他にもＥＳＰが使えるのか？」 「こいつは テレパシーだけに特化した進化形態だ」 「アルフ・・・大丈夫か？」 「ええ すごく気持ちがいいの」 どうした？ アルフの声はいつも通り例のユニットから直接脳波として伝わってくる。 「違和感は有るか？ギルバート」 「いや いつも通りだというのが違和感だな」 「あんたの脳内ユニットはそのままアルフとの連携ユニットとして機能してるはずだ アルフが関知した物は全て直接あんたの脳に伝わってくる。電波や光では無く有る種の 特定テレパシーのような物で繋がってるから障害物は関係無い」 「あはっ 便利ねっ」 「飛べるか？ アルフ」 「うんっ・・・飛び方はバージョンアップで設定されてるみたい・・・」 アルフは花びらの上からすっ・・・と飛び立ちギルバートの肩の上にとまった。 「はっはぁ 完璧だねっ どうだいオイラの腕は」 「驚いたわ あなた神様の次にすごいね」 「さて 最後の仕上げだ」 「まだ何かやるのか？」 「自由になりたいだろ？ それじゃアルフ アヒルとコネクトしてくれ」 「ＯＫっ！」 アルフはコンソールに飛んでいきコネクタの端子に髪の毛を延ばしてリンクした。 「それじゃあ 最後のショータイムだ 派手にやってくれアルフ」 「わかった・・ファイナルプログラム起動します！・・いっけぇぇぇ！」 ３羽のアヒルがフル稼働状態に入った。 アルフの体が蒼く光りはじめその中心から衝撃波のような光の輪が同心円を描いて 一気に広がる・・・１度・・・２度・・・・３度 そのたびに頭の中を何かにスキャンされるような感覚に襲われる。 「ぐっ・・・・一体何を・・・」 「これで・・・自由だ・・・ぐっ・・・・」 ガコンっ・・・・すごい音がして部屋の中が真っ暗になる。 どうやらパワーオーバーしてブレイカーが落ちてしまったようだ。 「どういうことだ？ネイモア」 「アルフの固体はテレパシー能力に特化してある。その能力を外部からエネルギー供給し 特定人物達に向かって記憶域に作用させそれを抹消したのさ」 「・・・てことは・・・」 「そういうことね あなたたちの記憶は奴等から奇麗さぱり抜けちゃたね」 ぽわっ・・と光る物が近づいてきた・・アルフだ・・・ 「やっとこの穴蔵から出られるって事だな」 「シャワー浴びないと臭いわよっギルビット」 「わかったわかった ・・・でネイモア この跳ねっ返り娘はどうすんだ？」 「あんたにやるよ もともとあんたの分身だ・・・ただし条件が有る」 「条件？」 「ああ メンテナンス要員としてオイラをまた相棒にする事 ま・・オイラのサポートフェアリーを作るまでだがね」 「１０日間かぁ？」 「今度はわかんないね・・・今回のデータは消えちまったし・・・また１から作りなおしだ 何よりオイラ用のサポートブレインを鍛えなきゃな」 やっと電源が復旧し 部屋に明るさが戻ってきた。 「あぃやぁぁ これはひどいわぁ」 「匂いで気付かなかったのか？ラオ」 「うすうすわかてたのよね アヒルちゃんの焦げる匂い」 「心配すんな ネイが直してくれるさ」 「仕方ない・・・ラオ大人にゃ仮が出来ちまったからな」 「いっそ サポートダックでも作ってもらったらどうだ？ラオ」 「あたしは美形の少年タイプがいいよ たくさんほしいね」 「ははっ おめぇらしいゃ」 「ま いいわよ ここはこのままにしておくわ 神様を見た記念ね」 ラオはパンパンと手を叩きながら店の方に上がっていった。 アルフは小首を傾げてにこりと微笑みギルバートを見上げた。 |
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| 「よし 侵入するぞ」 「いいわよ 次の角を左に 通路は３．２秒以内で通過してね」 サポートが移動できるというのは実に具合がいい。しかもアルフが見ている物が全て 俺にも見えるというのが絶妙だ。 「ぐたぐた考えてないで さっさと行動しなきゃ・・・ネイがジャミングする時間よ」 「へぃへぃ」 この性格が・・・ 「なんだって？ こっちにも筒抜けよっ」 「行くぞっ・・・ネイ・・・しくじるなよっ」 「任せとけって この程度・・・軽い軽い」 「ネイ・・感情安定値揺らぎあり あと１３．７％慎重に・・・時間です。」 「ジャミングＯＮ ・・ったくこんなにうるさいのか？ 寄生虫（サポートブレイン）って」 「失礼ですね わたしはサポートブレイン ファルシオンです。 ジャミング解除まであと・・２．１４秒 補正＋０．３３ アルフ ギルバート 急いでください。」 「はっはっ・・おめぇのサポートらしくていいじゃねぇか・・・理屈ッぽくてよ」 「ぶぅーーっ あと２秒くらいでガードシステムが気付くわよっ」 「アルフっ アバウトすぎます あと １．７２秒です。」 「要は慣れだよネイ、・・・よし終わった引き上げだっ」 「脱出までの予定時間６８．４２秒」 「心配ないわっ ５４秒でエスケープよ」 「分かってんじゃねぇか いくぞアルフ！ ネイ ドアタイミング頼むぜ」 「ＯＫ！ Ｂ−３ドアから出てくれ その後は・・・」 「出たとこ勝負っ！」 「臨機応変ねっ！」 「アルフ 何ですか？ それは・・・・リ・ン・キ・・・」 「オウヘンよっ ねっギルビット」 「・・・・ギルバートだッ！」 |
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